3・11後の企業行動に関する寄稿文



第1回  「3・11後の新しい流れ」

インテグレックス取締役
平田  雅彦
(元パナソニック副社長)
専門  企業倫理

「このたびの震災でわが社の社員を見直しました」「わが社の経営理念は生きていました」東日本大震災後、このような言葉をしばしば耳にした。
「最近の若ものは・・」と云っていた人たちが、救援ボランティアを競って志望する若者の勢いが止まらぬ現状に、新しい日本を感じている。
今回の大震災をきっかけに、その復興支援のため、学生、企業人、芸術家、一般市民が立ちあがっている。その力強さに、日本という国の新しい求心力を感じた人は多いのではないか。
戦後の日本は、敗戦のどん底から立ち上がり、「先進国に追いつく」ことを目標に一途に走ってきた。その結果、世界第二の経済大国になり、物質的には恵まれた国になった。しかしその反面、豊かさに慣れた人々の生活の「ものさし」は、「もの」と「かね」が中心になり、自分本位の考え方をする人が多くなった。
古来、日本人はお天道様を見て己を律し、相手に対しては共生の心をもって接してきた。
江戸時代、二宮尊徳は荒地を次々に豊かな田園に還すという偉業を残したが、彼の数々の成功の源には、体験に基づく独自の人生哲学があった。彼はそれを「三才報徳金毛録」という円グラフを取り入れた僅か二十頁くらいの冊子にまとめている。
その要約がインテグレックスの「一円融合」の思想である。
世の中に対立は必ずある。しかしそれは一つの円の中の現象であり、時の経過の中で、相互に働きかけあって、究極、融合に進む。それが大自然の法則だという。正が反を呼び、反が正を呼ぶというのである。
「危機はチャンスである」よく聞く言葉だ。明治維新、昭和の敗戦、オイル・ショック、われわれの先輩たちは、見事に危機をチャンスにして今日の繁栄をもたらしてくれた。長い間混迷を続けてきた日本の方向も、3・11の震災を受けて、反が正を呼ぶ時代にはいったのではないか。
危機をチャンスにできるか否かは、この新しい流れをものに出来るかどうかにかかっている。

掲載日:2011年8月25日




免責について                              

 本ウェブサイトによって提供する情報は、当該企業各社から入手した情報を原文のまま掲載しており、情報の真偽や正確性、完全性などを保証するものではありません。また、本ウェブサイトによって提供する情報は、情報提供のみを目的としており、証券投資等の勧誘を意図するものではなく、直接または間接的に投資を促したり、売買を促すものでもありません。本ウェブサイト上の情報に起因して利用者および第三者に損害が発生したとしても、当社は一切の責任を負いません。